2025年8月12日火曜日

再エネ賦課金が生み出した利権

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金とは、再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の普及を目的とした制度で、電気料金の一部として、電気を利用するすべての人が負担するもの。
正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」。


再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)に基づき設定されている。これは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度である。

要するに、以下が制度化されている。
  • 再エネで作られた電気は、電力会社が買うことになっている
  • その際に買う値段は、固定で決まっている
  • 電力会社が再エネ電力を買い取る際に支払うお金は、「再エネ賦課金」という形で電気利用者が負担している

この仕組みの場合、再エネ電力量が多くなるほど、賦課金も上昇する。すなわち電気代が上がる。


2012年7月から始まった制度だが、これは当時の民主党政権が作った制度。
上記の仕組みからも想像できるとおり、巨額の利益を再エネ業者に保証する制度となり、利権の温床となっている。

なお電力会社は電気利用者から再エネ賦課金を集め、国の指定機関に納めるだけで、利益を得ることはない。


再エネ賦課金の家計負担

実際、家計の負担はどれくらいになるか?

月間電力使用量が400kWhの一般的な家庭の場合、2025年度の賦課金単価(3.98円/kWh)を基に計算すると、月額1,592円の負担となる。

400(kWH)×3.98(円/kWh) = 1,592円


この場合、年間にすると 19,104円になる(1,592円×12ヶ月)。年間2万円弱くらいの負担。

上記の試算は家計の場合であり、当然、電力消費量の多い企業はより大きなコスト負担を強いられている。


(参考)


再エネ賦課金の年間総額

全国トータルの2025年度試算は、総額3兆677億円になる。

 (2025年度)販売電力量の想定:7,708億kWh
 (2025年度)賦課金単価3.98円/kWh


2024年度の税収で消費税は23.8兆円であることから、消費税のおよそ6分の1ほど(約15%)の規模である。再エネ電力量が多くなるほど、賦課金も上昇することを考えると、今後さらに大きな金額になると考えられる。


電気を使わずに生活している人はほとんどいないため、ほとんど消費税のような税負担を国民は強いられていることになる。


(参考)



    再生可能エネルギーの導入状況

    経済産業省のレポート(063_s01_00.pdf)によると、再エネの電源構成比が2011年度10.4%から2022年度は21.7%に拡大している。

    そして、それは2012年7月のFIT制度(固定価格買取制度)開始によるものだとしている。


    なお、同レポートの再エネ電源構成比の変化(2011年度と比較)を見ると以下のとおり。それぞれ左側が2011年度、右側が2022年度の電源構成比。
    • 太陽光:  0.4% → 9.2%
    • 風力:   0.4% → 0.9%
    • 水力:   7.8% → 7.6%
    • 地熱:   0.2% → 0.3%
    • バイオマス:1.5% → 3.7%

    再エネの中でもとりわけ、太陽光が大きな割合を占めるようになったことが分かる。


    太陽光パネルはほとんが中国製という現実

    経済産業省のレポート(001_02_00.pdf)によると、太陽光パネルのシェアは2005年以降、中国等の海外勢に押され、日・米・独勢は一斉にシェアを落とし、日本のシェアは直近1%未満となっているそうだ。

    なお、経済産業省のレポートでは「中国」とあるが、実際には中国が全体の80%ほどの圧倒的なシェアを誇っている。

    要するに現状の日本で太陽光パネルの設置をしようとすると、それはほとんど中国製の製品を購入することになる。



    現状の問題点

    日本の再エネのほとんどは太陽光であり、かつ、中国が太陽光パネルの圧倒的なシェアを誇ることから、日本人が支払っている再エネ賦課金を使って、間接的に中国企業を潤している構図ができていることが分かる。


    太陽光パネルは2005年以降、中国のシェアが伸び始めており2010年頃から拡大していたことを踏まえると、民主党政権が制度を作った2012年7月時点でも太陽光パネルのシェアは、中国が大きい状態であったことになる。

    環境保全/温暖化防止という美名のもとに日本人が中国へ金を取られている構図が見えてくるのだが、この構図が制度設計から連綿と続いていたことになる。




    現状を肯定する報道:

    驚くべきことに現状の制度を肯定しているのが、朝日新聞であった。

    さすがだ。

    何やら電力合同会社の社員に語らせているが、朝日新聞の代弁者なのだろう。主な要旨は以下のとおりだ。

    • 再エネ賦課金は環境貢献への必要なコストである。
    • 再エネ賦課金を軽減したければ、節電するか、太陽光発電の設置、企業向けの減免制度の利用を提言。

       

      温暖化防止という美名のもとに、中国企業へお金が流れる太陽光発電の設置を推奨するあたりは、さすがの朝日新聞。



      (参考)太陽電池産業に対する経済産業省の見解

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